1964年 GIBSON ES-355TD のご紹介です。
 
1958年に登場したES-335のラインナップに加え、GIBSON セミアコースティックモデルの最上級モデルとして1958年には10本のみの製作、1959年より本格的に生産が始まったES-355は、5ピース・スプリットダイアモンドインレイがヘッドに入れられ、ブロックスタイルのポジションマーク、7層のマルチバインディング、エボニー指板、べっ甲ピックガード、ファクトリー標準装備のビグスビーB7、ステレオ/バリトーンスイッチ、ゴールドハードウエアといったゴージャスな仕様で、1960年当時の新品の販売価格はES-335のサンバーストフィニッシュが279ドル。レスポールが265ドルに対して、ES-355は550ドル。バリトーン付きモデルは600ドルと、いかに当時ハイエンドなモデルだった事が伺い知れます。
 
こちらの64年ES-355は、通例の1962年から65年頃までのセンターブロックシェイプにより、リアピックアップのキャビティ―部分が大きくコの字にくり抜かれた構造で、サウンディングはデビュー当時よりアコースティック感が増し、335は1層が巻かれたバインディングに対し、345がフロントが3層、バックが1層に比べ、355はトップが7層、バックが3層となり、そのバインディング効果により、そのサウンディングは非常にタイトでソリッドとなり、フィンガーボードには355のみ密度が高く硬いエボニー指板が使われ、それらの特性を融合させた特有の立体感がありながらもウォームで繊細な煌びやかなサウンドが355の特徴でもあります。
オリジナル ステッカーナンバード P.A.F。ネックは適度にグリップ感があり各ポジションでのコードワークやハイポジションでのソロプレイでも伸びやかなサスティーンと共に、確実にノートをはじき出してくれます。
 
また通例通り、ステレオ/バリトーンスイッチは配線が取り外され通常のモノラル仕様となっておりますので使い勝手も良く、バインディングの締まったルックスや335とは一味違ったサウンディングを楽しめます。
 
その他、62年からのナイロンサドル、63年より採用された通称”ワッフル・バッグ”と呼ばれるクルーソン501VXペグ、オリジナルのブラックLIFTONハードケースが付属し、今回ネック調整、ロッドの締め込み確認、ワイドオーバルのフレットに打ち換え、指板調整、ナット交換を行いましたので、プロの方のレコーディングやライブでも直ぐにお使いいただけるベストコンディションとなっております。